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NICOプロジェクト:走る1DK完成までの道のり

NICOプロジェクトは、これまで私たちのブランドラインに無かった2人またはソロ向けのキャンピングカー制作というミッションで2023年から開始されました。今回は、このプロジェクトの歩みと、NICOの魅力を掘り下げるため、プロジェクトリーダーであるRyohei / Miku / Tomoharu へ直撃インタビューをしました。

まず、Dream Drive日本事業統括であるRyoheiに、なぜ2人乗りのキャンピングカーを作ることになったのか話を伺います。

2人乗車のキャンピングカーの制作のきっかけは、多くのお客様のご相談を受ける中で、退職後や、子育てが落ち着いた夫婦の旅の1台としてのニーズが高いことでした。 

NICOはそのような大切なパートナーと過ごせる空間を、実現する一台として制作に踏み切りました。現行のKUMA Qよりは小さくて、普段使いもし易くて、 それでいてTAMAより室内空間にゆとりのある、そんな良いとこどりの1台を制作するプロジェクトがスタートしました。

写真:Miku(右端) / Ryohei(右2番目) / Tomo(左端)

ハイエースから日産NV350へ。車体に感じた魅力

これまで私たちは、トヨタのハイエースをベース車としてキャンピングカーを製造してきました。ハイエースは荷室の広さと車種の多さから、キャンピングカーのベース車両として人気の車体です。

ただ、今回日産NV350をキャンピングカーのベース車両にした理由は、運転席の快適さでした。この車体の運転席は乗用車同様のシートを採用しており、長時間運転の際も腰などへの負担を抑えて走行できるといったメリットがあります。

さらに、日産NV350の車体のサイズが、ハイエーススーパーロングと標準サイズの中間のサイズだったことです。これらのポイントは、NICOがまさに目指している旅する一台としての走行時の快適性と、KUMA QやTAMAとはまた少し違った心地よい広さの車内空間を実現できると考え、こちらの車体でのキャンピングカーの製造を決めました。

写真:車体写真

NICOデザインの当初の構想と課題

当時、NICOはDream Drive製品の中でも比較的お求め安い、かつクオリティの高い一台として制作することを前提にしていました。プロジェクトチームを発足し、2チーム3名ずつの計6名でNICOの具体的なコンセプト及びインテリアデザインを決めていきました。バンライフ経験のあるスタッフだからこそ気づける、ディテールまでこだわったアイデアが出る半面、大きな壁に直面しました。

写真:NICOプロジェクトミーティングの様子 / Miku(右端)

DreamDriveの原点

より多くのアイデアをNICOへ反映しようとすると、どうしても予算オーバーしてしまい、当初の比較的お求め安いというコンセプトの達成が難しくなりました。そこで、山梨県のキャンプ場で1泊2日のチーム合宿を行い、優先順位について協議しました。

これまでのDream Driveがブランドとして誇ってきたこと、また製造チームとして目指していきたいこと、お客様に実際に使用していただいて感じていただきたいことなど。

協議を進めていくと、DreamDriveの原点でもある、高品質な1台を制作することに方向性が固まってきました。この合宿を通じて改めて、チームメンバーの熱量や意気込みが伝わり素晴らしい一台を届けるという思いがより強くなりました。

写真:キャンプ先で並ぶスタッフ私物キャンピングカー

Rooms on Wheels(走るマイホーム)実現に向けて

ここからは、Dream Drive製造部部長であるMikuにNICOのデザインコンセプトと設計で工夫したポイントについてインタビューします。

NICOを設計する際に特に意識した点は、多様なライフスタイルに対応できるデザインとDream Driveが掲げる Rooms on Wheels(走るマイホーム)というブランドキーワードでした。これまでも私たちは、お客様がまるでお家にいるかのような安心感と、木材ならではの温かみある空間作りを意識してキャンピングカーの設計を行ってきました。

2人仕様がメインのNICOはパートナーとの旅行をイメージしてデザインしました。 また、お互いの一人の時間も尊重できるように、カーテンでの間仕切りや、照明の配置にも考慮しました。

写真:Miku

生活をデザインする

NICOのデザインでは、生活動線を意識して家具のレイアウトを何度となく協議しました。Ryoheiが話したようにお客様のニーズに合わせながらもバンライフ経験者が便利だと感じる要素を2チームに分けて、互いに持ち寄ったアイデアを組み合わせ完成しました。

その中で私は、チームのアイデアとお客様からの声を取り入れた上で、キッチンの配置に特にこだわり、キッチンを中心とした動線を配慮することによって、快適な車内空間を演出できました。

 KUMA QとTAMAとの違いは、ウオータータンクの出し入れがサイドドアからできることです。このデザインにしたメリットは、

1, 駐車スペースでリアドアが空けられない場所でも、サイドドアなら問題なく開閉可能

2, 給水タンクへのアクセスも早く、すぐに水を汲むことができる

3, 車内に入る前に土汚れなどをその場で直ぐに洗い流せる。

図:NICO 3Dスケッチ (ドラフト案)

図:NICO 3Dスケッチ (修正後)

動線の意識、生活における快適さは、これまでのTAMAやKUMA Qで得た経験を踏まえて、住み心地の良い一台となっています。

自分だけのNICOにしてほしい。豊富なカスタマイズ

Dream Driveの内装の特徴と言えば、職人が天然木を1枚づつはめ込んで仕上げた天井と壁があります。NICOはカスタマイズの可能性を広げるため、あえて窓枠のみを羽目板で仕上げるオプションを用意しました。 これにより、車内のボディ部分にマグネットのアクセサリーやDIYで、自分らしい室内空間をより実現しやすくなりました。

また、冷蔵庫もオプション設定として、多様なお客様の要望にお応えできるのも魅力です。自分の用途に合わせて必要なものを選択していただき素敵な一台を手に入れてほしいと願っています。

写真:NICO 製造風景

デザインを形にする。ミリ単位の世界

最後にDream Driveの家具チームをリードし、家具チームの責任者であるTomoに家具制作の挑戦やこだわりのポイントなどを伺い、NICOプロジェクト:走る1DK完成までの道のりを最後まで見て頂こうと思います。

NICOの家具を制作する上で感じた課題は、3Dで出来上がったデザインを、どのように車内に形にしていくかでした。また、2台目以降の制作も考慮して、他の家具メンバーも同様に製造できる工程でなければ、常に高品質の家具を提供できないため、製造の方法に関しても熟考しました。

写真:Tomoharu

家具はブロック毎に制作し、最終的に車内で繋げていく手法を採用しました。これは、職人としての技量を問われるとても神経のいる作業となります。1ミリでもずれてしまえば、ベットに寝転んだ時、椅子に座った時、など若干の違和感を覚えてしまうことに繋がり兼ねません。さらに天然シナ材を採用しているので、木材のそもそもの質感や厚みも多少異なるので、全ての寸法を正確に測った上で、さらに木材同士の継ぎ目がわからないように、木目を合わせ一枚板に見えるよう工夫をこらしました。

Dream Driveの職人技術が光るポイントなので、ぜひ完成した車体をご覧いただき確認していただけると嬉しいです。

写真:NICO ベッド

誰もが使いやすい快適な空間を実現

家具チームの責任者としての想いは、年齢に関係なく誰もが心地よく使用できる家具作りができているかということです。家具製作において以下の4点について考慮しました。

1, ベッドの高さを座りやすく寝やすいサイズ感に調整

2, 取り外しが簡単なダイニングチェアを採用。片付ければ収納スペースとして使用可。

3, 助手席を阻害しないキッチンの高さ・扉に折れ戸を採用してスペースの有効活用

4, 天然リノリウムを使用したダイニングチェア

ベットが常設でデザインされたNICOは、就寝をしないときはベットの上に座れるよう高さを450mmに設定しました。これより低くなると下のストレージスペースに影響がでる他、高すぎると登り下りの動作において、膝への負担もかかるという理由で、この高さに設定しました。

写真:NICO ベット

取り外し可能なダイニングチェアは、一人でも脱着可能な軽さです。大容量な収納スペースがベット下にありますが、それでも足りない場合や、愛犬とのバンライフにおいて愛犬のスペースとして確保したいなど、お客様のニーズに合わせてスペースを有効活用していただけるようにデザインしました。

写真:NICO ダイニング

キッチンは、助手席後方に設置しておりますが、リクライニングをする際に弊害となって倒れないことがないよう高さを調整しています。キッチンの正面は折れ戸を採用することによって、限られたスペースでも、ウオータータンクの出し入れがし易いように製作しました。

写真:NICO キッチン

ダイニングは常設で対面式の空間を実現しました。互いの膝が接触することのない距離感のダイニングスペースの椅子に、今回Dream Driveとして初となる天然のリノリウムを採用しました。リノリウムは欧州を中心に、環境にやさしい+サスティナブルな素材として知られています。こちらの素材を対面シートのダイニングシートの座面に採用し、見た目の良さと触りごごちにこだわりました。

写真:リノリウム素材

全ての方の旅の記憶にNICOが寄り添えるように

最後に、本ブログ記事では3名のプロジェクトリーダーにインタビューし、NICOの完成までの道のりをたどってきました。走る1DKキャンピングカー NICOは、リモートワーカーの方やご退職後の夫婦での車中泊旅をご計画されている方、また、幅広い年齢層のカップル及びソロトラベラーに向けて制作された一台です。

バンライフ経験者のDream Driveスタッフの知恵と製造部の高い技術力を融合した素敵な一台です。まるでお家にいるように過ごしながら、NICOと旅して欲しいと願っています。

【お問い合わせ】

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Dream Driveについて

Dream Driveは、2019年に設立、グローバルなキャンピングカー企業で、現在は東京に本社を置き、オーストラリアで事業を展開。圧倒的な広さを誇る「KUMA Q(クマキュー)」やコンパクトで機能的な「TAMA(タマ)」の2種類のハイエース、また日産NV350を使用した「NICO(ニコ)」を提供している。

所在地:東京都狛江市岩戸南1-8-8 

代表者:代表取締役社長 ジャレド・カンピォン(Jared Campion)

公式HP:https://www.dreamdrive.life/jp/